こんな経験はないっスか?
KP「探索者は気が付くと机と本棚のある薄暗い部屋にいます。」
PL「とりあえず<目星>します。」
ウチがKPの時の心情としては、
部屋で調べられるものとして机と本棚があるって描写したから、
PLには「机の方を見て見ます」とか「本棚にはどんな本がありますか?」みたいに聞いて欲しいなって思うっス!
だけどPLの中にはとりあえずで<目星>を使おうとする人も居て、描写してるKPの心情としては嬉しくないっス…
今回はこの「とりあえず<目星>」について
・適切な使い方かどうか
・どうして「とりあえず<目星>」という発想になるのか
・KPがとれる対策とは何か
この辺りを考えてみようと思うっス!
<目星>技能は目星をつける技能ではない
まずは<目星>技能がどういう技能か掘り下げて行こうと思うっス!
日本語としての目星の意味
国語辞書で「目星」を見てみると
・目星
見当(予想)をつける。見込みをつける。
と出てくるっス!
つまり例であげたPLの発言は
KP「探索者は気が付くと机と本棚のある薄暗い部屋にいます。」
PL「(調べる場所の見当をつけたいので)とりあえず目星します。」
という意味になるっス!
(ウチの想像っスから本当にそう思って言ってるかは分かんないっスけど、今はその体で話を進めるっス)
だけどそうなると調べる場所の見当って…机と本棚って既に描写してるっス!?
クトゥルフ神話TRPGとしての目星の意味
原本に当たる英語版にも目星に当たる英語(MarkとかAimとか)が書いてあるのかなって思って調べてみたっス!
英語版のキャラクターシートを画像検索して貰うと分かるんスけど、<目星>に当たる部分には
・spot hidden
※隠れたものを見つける。
って表記されてるっス!
日本語の目星とは全然意味が違うっス!
基本ルールブックの<目星>技能の説明にもいくつか例がある通り、クトゥルフ神話TRPGにおける<目星>技能は隠れてるものを見つけるための技能っス!
これが和訳されて「目星」という表現になったみたいっス
背景を知ると<目星>技能の適切な使い方が分かってくるっスよね!
余談:<目星>で見つからないワイヤートラップ
シナリオに書いてあって処理したのか、KPがそう処理したのかは分かんないっスけど、SNSで見て酷いなって共感持ったのが
PL「部屋に入る前に罠がないか<目星>します。成功。」
KP「何も見つかりません。」
PL「部屋に入ります。」
KP「部屋に踏み込んだ瞬間ワイヤートラップに引っ掛かってPCは死亡します。」
PL「何もなかったんじゃなかったの?」
KP「巧妙に隠されてるワイヤーがそんな簡単に見つかるわけないでしょ」
こんな感じのがあったんスよね
さっきの<目星>についての説明を踏まえて読んで貰えば分かると思うっスけど、
隠されてるのなら尚更<目星>で見つけられる対象になるっス!
こんな風に<目星>技能を分かってない人がいるのも事実っスから、
そういう時は「基本ルールブックにこんな感じで書いてあるんだけど…」って自衛するしかないっス
<目星>は探す技能ではない
ここからはクトゥルフ神話TRPGとしての<目星>が隠れたものを見つける為の技能と認識した上で、それでも「とりあえず<目星>」と言う人について考えていくっス!
プロセスと結果
これはウチの解釈になるんスけど、
<目星>っていうのは「今の状況(見えている範囲)に対して、隠れてるものに気付いて見つけられるかどうかを判定する技能」だと思ってるっス!
もちろん人によっては違う解釈っていうこともあると思ってるっス!
その例えの一つとしてここで挙げておきたいのは
「物を動かしたりして隠れてるものに気付いて見つけられるかどうかを判定する技能」と捉えている場合っス
どちらも隠れてるものを見つけるという結果は同じっス!
だけどその過程として物を動かす等の探す・調べるといった行動を含んでいるかどうかで大きく意味が違ってくるっス!
どういった違いかというと
PL「とりあえず<目星>します。」
⇒成功したので○○を見つけます。
失敗したので何も見つかりません。
PL「この部屋で調べられるところ全部調べ終わった。」
こんな感じで調べられるもの全て総なめしたと処理してしまう人がいるっス!
つまり、調べるという過程を含んでいると解釈している人の中には、
隠れてるものを見つけられたか結果を判定する技能ではなく、
隠れてるものがないか、調べるというプロセスを行う技能と勘違いしてしまっている人がいるっス!
これがクトゥルフ神話TRPGをやりこんでいる人にも関わらず「とりあえず<目星>」という発想が出てしまう多くの原因だとウチは考えてるっス!
補足:目星を調べる技能として扱うと物が消える
<目星>を調べる技能として誤認識した場合に起こり得る弊害を挙げてみようと思うっス
「とりあえず<目星>」という使い方を許してしまうと、<目星>のない探索者は満足に探すことも調べることもできないって事になっちゃうっス
それに…
PL1「机に<目星>します。」
⇒失敗したので何も見つかりません。
PL2「机に<目星>します。」
⇒成功したので机の上にあるメモを見つけます。
こんな感じで目星をしないと机の上にあるものを見落とすという良く分からない状態を作り出してしまう要因になるっス!
キーパリングについて
今度はKPとしてPLに「とりあえず<目星>」と言われた時の対応を考えていこうと思うっス!
適用範囲を決める
先程の<目星>で隠れてるものを見つけられるのはどこまでなのかを予め決めておいた方が良いと思うっス!
例えるなら、見えている部屋の壁や家具のみに対してだけ適用するのか、それとも机の中や本の中、カーペットを引き剥がした床にまで適用するのかとかっスね
そうすればダイスを振らせる前に「<目星>で見つかる情報はありません」と言い切ることができて、探索を促しやすくなって良いと思うっス!
それに<目星>を調べる技能と思っている人には「どこどこを調べるって言ってくれれば情報出しますよ」って伝えれば、自然と誘導できると思うっス!
勝手に振らせない
普通に探索するのではなく、<目星>技能を使うからにはある程度見つけたいものの指定をして貰うのが良いと思うっス!
それに、何を見つけたいのか指定がないからKPも何を見つけたことにすれば良いのか分からないから困るんスよね…
挙げ句にPLが求めてたのと違うって不満を出されても嫌っスしね
とりあえずで隠れてるものなら何でもって軽い気持ちで振ろうとするなら、軽い気持ちで隅っこに落ちてる埃を見つけさせたって良いと思うっス
更に勝手にダイス振ってクリティカル出たとか言われたら大きな埃にしたら良いと思うっスし、ファンブルなら埃を吸わせれば良いと思うっス
こういう事がないようにPLとKPで意志疎通するためにきちんとお互いの認識を合わせた方が良いと思うっス!
分かんない場合はヒアリングを挟んでも良いと思うっス!
例えるなら、<図書館>技能で指定したキーワードについて調べると情報が手に入るのと同じ扱いっスね!
メモを見つけます。
そこには「犯罪を証明する重要な証拠を見つからないように寝室に隠した。」と書かれています。
PL「寝室で証拠になりそうなものがないか<目星>します。」
これなら見つけたいものがハッキリしているし、適用範囲もPLから指定してくれているから、家宅捜査並に家具をひっくり返してでも見つけたいって意志が見えるっスよね!
KPから振らせる
<目星>を振るタイミングについて、ウチは<聞き耳>と同じように受動的な面があっても良いと考えてるっス!
<聞き耳>の例
死体のある部屋の扉の前まできました。
KPはPCが死体の臭いに気付くかどうかを判定するためにPLに「<聞き耳>を振ってください」と促します。
成功したPCは鉄臭さを感じとります。
<目星>の例
二重底になっている引き出しを開けました。
PCが気付くかどうかを判定するためにPLに「<目星>を振ってください」と促します。
成功したPCは引き出しの底の板に隙間があるのに気が付きます。
聞き耳同様にPL目線メタ的に何かあると分かっていてもPCは気付いてない前提でRPするってのも楽しみ方のひとつだと思うっス!
まとめ
<目星>は目星をつける技能でも調べる技能でもなく、隠れたものを見つけるための技能っス!
これさえ抑えておけばどうとでもなると思うっス!
英語表記のSpot Hiddenのままの方が意味が通じそうっスけど、これを日本語ってなると目星以外に良い単語って見つからないっスー!
ウチ何かより何百何千倍と考えた結果なんだろうなって思ったら、本当文句言ってごめんなさいって気持ちっス
折角長時間を割いてクトゥルフ神話TRPGするんスから、とりあえずで遊ばずに、一つ一つを楽しんで遊んで欲しいと思うっス~!
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