クロノカタリスト

クトゥルフ神話TRPGオリジナルシナリオっス!

推奨人数:1人
プレイ時間:ボイセ3時間
時代背景:現代日本
KP難易度:★★★☆☆
PL難易度:★☆☆☆☆
システム:クローズド

<説明>

「⇒」の右に書かれた内容はトリガーっス
トリガーが発生したら次の行の内容で処理するっス
処理内容の範囲はインデントで表現してるっス

1     あらすじ(KP向け)

探索者は日常を過ごします。お昼を迎える頃に大きな交差点で赤信号に捕まった探索者の横に容姿端麗な異性(黒野 琥珀)が立ちます。気になり見ていると信号は青に変わっており、横断歩道を黒乃は探索者の少し前を歩いていきます。すると横断歩道の信号を無視して暴走した車が黒野に向かって突っ込んできます。探索者は黒野を突き飛ばすと、身体に衝撃が走る。

探索者は車に当てられたような気がしたのに、何故か黒野側から探索者を突き飛ばすような形で助かっているのに気が付きます。そして黒野は何故か探索者の名前を知っています。一方車は多くの人を巻き込みながら建物にぶつかって停車しています。車から人が下りてくると虚ろな目をしており、犠牲者の身体に噛みつきます。すると犠牲者も虚ろな目をして周りの犠牲者に噛みついていきます。

黒野は探索者の手を引っ張って黒野の自宅に招き入れます。黒野は自分が探索者に突き飛ばされたことで生かされた未来からやってきたことを話します。そしてバイオハザードが起ころうとしていることを探索者に告げます。バイオハザードに使われているものは黒野自身が論文で発表したウィルスであり、元凶となる主犯格がこのウィルスを悪用したと探索者に説明します。

黒野は地下室に探索者を案内します。地下室を案内するなかで試作段階のタイムマシンがあることを話します。タイムマシンで行きたい時代に行くにはその時代に強く結びついた物を用意する必要があることを説明します。また、タイムマシンを動かすのに必要な高エネルギーについて話します。その高エネルギーを生み出すものは反物質で出来た物体と説明し、黒野が所持している50口径の青白く光る弾丸を見せます。反物質は1円玉サイズで原爆の3倍ものエネルギーが発生することを話し、更に規格外に大きな反物質があれば試作段階のタイムマシンでも過去に飛ぶことができることを探索者に話します。タイムパラドックスについても話をし、過去を改変したとしてもタイムパラドックスは発生しないことを説明します。

続いて今度は奥に武器があるのでそれを持っていって、バイオハザードの元凶を倒しに行くことを話します。それを聞いて探索者は黒野に同行します。黒野はバーレットモデル82を所持し、探索者にはグロック17 9mmオートマチックを渡します。

元凶の居場所は警察署で、警察署は既にグールによって占拠されており、セキュリティカードによって部屋の出入りがコントロールされています。地下一階に武器庫があるためまずは武器庫を目指しつつ、セキュリティカードを取得を行います。セキュリティカードによって武器庫に立ち寄った後は、元凶のいる最高位のセキュリティカードの取得を目指します。最高位のセキュリティカードを手に入れた後、元凶の元締めをしているグールと対峙し、倒します。元締めをしているグールを倒すと地下に眠る飛行するポリプを地上に呼び起こす為に遠隔装置を使って地下に設置した爆弾を発破します。警察署は揺れ、屋上に置かれていたヘリコプターを使って探索者と黒野は脱出します。

呼び起こされた飛行するポリプにヘリコプターは襲われビルの屋上へと不時着します。そして飛行するポリプから発せられる人を軽々と飛ばす程強力な風によって探索者と黒野は更に遠くのビルの屋上まで飛ばされます。探索者と黒野は屋上の壁に叩きつけられ、黒野には鉄筋が突き刺さります。飛行するポリプは1km先で猛威をふるっています。黒野は自分が動けない為、探索者に長距離射撃による飛行するポリプの狙撃を託します。黒野は物理法則に基づいて狙撃をサポートします。探索者は飛行するポリプの狙撃を行います。

飛行するポリプを狙撃すると黒野は力尽きる前に一枚の写真を懐から出し、自分は立派な人間になれたかどうかを問いかけ、そのまま永い眠りにつきます。写真を見ると公園にいる探索者の幼少期の姿が写っており、そこには探索者の他にもう一人の子供が写っています。子供の顔は血で濡れて見えなくなっています。時間差で探索者の目の前に飛行するポリプの肉片が落ちてきます。その肉片は溶けてなくなり、その中から反物質の大結晶体が出てきます。探索者は黒野の家の地下のタイムマシンに写真と大結晶体を使い、タイムマシンを起動します。

過去に戻ると探索者は幼少期の姿で公園にいることに気が付きます。そしてそこには痛々しい虐待を受けたみすぼらしい幼少期の姿の黒野がいます。黒野は探索者に今日が会える最後の日と伝えます。そして黒野は探索者に、大人になったら自分の親と同じように酷い大人になってしまうのかな、と打ち明けられなかった不安を言います。探索者はその質問を聞くと幼少期の自分がどう答えたのかを思い出します。それは立派な人間になれる、という答えです。探索者は黒野が立派になってしまったことでウィルスが開発されたことを鑑みて、別の答えを黒野に伝えます。探索者自身の意識は幼少期の探索者の中へと溶け込んでいきます。そして何故別の答えを伝えてしまったのかわからないまま大人になっていきます。

大人になった探索者は大きな交差点で黒野と出会います。黒野は思い出の場所を探していると写真を見せながら探索者に質問をします。その写真を見ると公園にいる幼少期の探索者と幼少期の黒野と分かります。

ここから先は探索者と黒野琥珀が作る未来が訪れることでしょう。

2     募集要項

推奨人数:1人

ロストの可能性:高め

時代背景:現代日本

必須技能:ライフル

推奨技能:聞き耳

戦闘:多い

紹介文:バイオハザードとかメタルギアソリッドが好きだと楽しめると思います。

3     登場人物

3.1     黒野 琥珀(くろの こはく)

関係:探索者は遠い昔の幼少期、この女性(男性)と出会っていて、子供ながらに「立派な大人になる」と話していた。

その女性(男性)はその言葉を信じて才色兼備となっていた。やればできる子を体現した類稀な才能から、彼女はイスの偉大なる種族からも好かれ、本来人では辿り着けないレベルの技術を得てしまい、タイムマシンと自己複製型iPS細胞を発明した。(これらは全て探索者の言葉を信じて頑張った結果です。)

幼少期に両親から酷い虐待を受けていた。事故で両親を失い、遠い親戚の元で育てられた。

性別:探索者とは異性 年齢:探索者と同じ 職業:研究者

HP:14 MP:15 SAN:- ダメージボーナス:+1d4

STR:8 DEX:18 INT:18 CON:10 APP:18 POW:15 SIZ:17 EDU:21

アイディア:90 幸運:90 知識:99 好感度:10

技能:<知識系技能>90。<ライフル>40。

補足:シナリオ内には女性としてのセリフを用意しています。男性だった場合は都度読み変えてください。

イスの偉大なる種族と接触し、地球の地下に眠る飛行するポリプについて教えられています。また、イスの偉大なる種族から様々な知識を得ている為、全ての知識系技能の値が90です。KP判断で調整してください。

理論的に理解してるけど感情が追い付いていないような人物像です。

対物ライフルのセミオート型狙撃銃として作れらたバーレットモデル82(バレットM82)を所持する。弾丸は50口径(12.7×99mm弾)を使用(CoC2015 P.80)(ダメージ2D10+1D8+6、1ラウンド1回攻撃、装填数11)

3.2     通常のグール

HP:12 MP:13 SAN:- ダメージボーナス:0

STR:12 DEX:13 INT:13 CON:12 APP:- POW:13 SIZ:12 EDU:-

装甲:火と投擲によるダメージを半分(端数切り上げ)にする。

技能:〈かぎ爪(1D6+db)〉30、〈噛み付き(1D6+1D4)〉30、

〈穴掘り〉75、〈登攀〉85、〈隠れる〉60、〈跳躍〉75、〈聞き耳〉70、〈腐敗を嗅ぎ取る〉65、〈忍び歩き〉80、〈目星〉50

SANチェック:0/1D6

3.3     巨大なグール

HP:18 MP:13 SAN:- ダメージボーナス:1D6

STR:22 DEX:10 INT:8 CON:18 APP:- POW:13 SIZ:18 EDU:-

装甲:火と投擲によるダメージを半分(端数切り上げ)にする。

技能:〈かぎ爪(1D6+db)〉30、〈噛み付き(1D6+1D4)〉30、

〈穴掘り〉75、〈登攀〉85、〈隠れる〉60、〈跳躍〉75、〈聞き耳〉70、〈腐敗を嗅ぎ取る〉65、〈忍び歩き〉80、〈目星〉50

SANチェック:0/1D6

3.4     署長室のグール

HP:28 MP:13 SAN:- ダメージボーナス:1D4

STR:16 DEX:13 INT:13 CON:15 APP:- POW:13 SIZ:13 EDU:-

装甲:火と投擲によるダメージを半分(端数切り上げ)にする。

技能:〈かぎ爪(1D6+db)〉30、〈噛み付き(1D6+1D4)〉30、

〈穴掘り〉75、〈登攀〉85、〈隠れる〉60、〈跳躍〉75、〈聞き耳〉70、〈腐敗を嗅ぎ取る〉65、〈忍び歩き〉80、〈目星〉50

SANチェック:0/1D6

特殊:Tウイルスの活性化により耐久力上昇(HPが倍)。

死体を食べている間Tウイルスによる自己再生(毎ターン終了時に1D6自動回復 )。

3.5     ゾンビ

HP:14 MP:- SAN:- ダメージボーナス:1D4

STR:15 DEX:2 INT:- CON:15 APP:- POW:1 SIZ:13 EDU:-

装甲:貫通する武器は1ダメージ。その他はダメージを半分(端数切り上げ)にする。

技能:〈噛み付き(1D3)〉30 ※武器はないので攻撃手段は噛み付きのみ

〈命令に従う〉99、〈人間の肉を追いかける〉99

SANチェック:1/1D8

3.6     飛行するポリプ

HP:38 MP:17 SAN:- ダメージボーナス:5D6

STR:50 DEX:13 INT:14 CON:25 APP:- POW:17 SIZ:50 EDU:-

装甲:4ポイント。物理的ダメージを最低値にする。

技能:〈2D6本の触手(1D10)〉85、 〈突風(db-20mにつき1D6)〉85

SANチェック:1D3/1D20

4     マップ

4.1     警察署1階

4.2     警察署B1階

4.3     警察署2階

4.4     警察署3階

5     アイテム

・50口径の弾丸(反物質の結晶体)

・写真

・反物質の大結晶体

6     導入

探索者はいつも通りの日常を送ります。

コンビニに寄っていたのか、別の用事があったのか、それらを終わらせて帰宅途中の十字路の交差点で立ち止まります。すると、ここでお昼の12時を迎えます。

後ろから誰かが近づき横に並びます。理由もなく、何となくその横の人物の方を見るとスタイルが良く、綺麗な整った顔立ちに、長い髪は風になびいて良い匂いがします(APP18)。隣にいる女性は自分の好みでつい魅入ってしまいます。

横の人物は歩き出します。気付けば交差点は青に変わっているのに気が付きます。

気を取られていた為、隣にいた女性に遅れて出発し、自然と後ろを着いて行く形となります。

道の真ん中に差し掛かった時、轟音が響きます。

轟音の方を振り向くと車が時速150kmで交差点の信号を無視して突っ込んできます。車は女性へ向かっていきます。

探索者はその瞬間、体感速度がゆっくりに感じます。

⇒車の方を見る

運転手はハンドルを握っています。

⇒<目星>成功

運転手は目は焦点が合っておらず、正常な状態ではないと気付きます。

⇒女性の方を見る

女性の体は強張り、その場から動けないことが分かります。

女性は立ち止まりこのまま、車に跳ね飛ばされて死ぬであろうことがわかります。

自分が女性に突っ込んで飛ばしてあげれめば、女性は助かるが自分が代わりに跳ね飛ばされて死ぬだろうということがわかります。

⇒女性を助ける場合

次章「黒野琥珀との出会い」へ進む

⇒女性を助けない場合

エンディング「被害者」へ進む

7     黒野琥珀との出会い

探索者は女性を突き飛ばした。

この後この150kmの車の衝撃が自分の身体を撥ね飛ばすのだろうと悟ると視界はぐにゃりと曲がった。

探索者の身体に衝撃が走る。

アスファルトによって強く固められた道が身体の背中を打ち付ける。アスファルトは酷く冷たく、貴方の決意を冷ややかに歓迎した。

アスファルトの感触に耽っていると、ふと気付きます。探索者の背中とは真反対のお腹側には柔らかく、温かい感触があります。それは突き飛ばしたはずの女性でした。

黒野琥珀「良かった、(探索者の下の名前)を助けられた。」

女性はポロポロと泣いています。

貴方は女性を突き飛ばしたはずなのに、何故か女性に突き飛ばされていたという考えに至り、この不可解な出来事にSANチェック(0/1)

探索者は背中に痛みを感じます。突き飛ばされたことで背中に擦り傷ができていたことに遅れて気が付きます。1ダメージ負います。

黒野琥珀「大変!止血しなくちゃ!」

そう女性がいうとポケットからハンカチを取り出し、探索者の背中に押し当てます。

7.1     終わりの始まり

先ほど突っ込んできた車は多くの人を巻き込み、近くのビルの壁に向かって突っ込み、ガシャンという音を立てて停止した。中から運転していた男がよろめきながら車から出てくる。

⇒<目星>成功

車から出てきた男の目は焦点が合っていないことが分かり、轢いた人を見ると口から涎を垂らすのが見えます。

轢かれた人は強打したのかのたうち回っています。

車から出てきた男は、のたうち回っている人に覆い被さります。

のたうち回っていた人は「痛い痛い痛い!千切れる!止めてー!」と叫びます。

次の瞬間、男の顔は真っ赤に染まります。

人の首筋からは一定のリズムを刻みながら赤い液体が強弱を着けながら噴出するのが見え、周りを赤色に染めていくのが見えます。(1/1D3)

※呪文《黒い束縛》によってゾンビが食い千切ってまわります。

黒野琥珀「ここから早く離れて!私は知ってるの、この先に起こることが!落ち着ける場所に着いたら説明してあげる!」

そう言って女性は必死の表情で探索者の腕をぐいぐい引っ張ります。

7.2     黒野琥珀の家

連れてこられた先には年季が入った木造建築の平屋があります。

黒野琥珀「此処は私の家よ。あがって。」

そういうと女性は家の中へと入って行きます。

⇒部屋に入らない場合

黒野「どうしたの?」

(もし不安があればこの場で説明する。)

家に上がり、女性に勧められるがままに部屋に入ると壁一杯に何かの設計図や数式が書かれた紙がびっしりと貼られている。

黒野琥珀「ごめんなさい。散らかっていて。適当に座ってて!話が長くなると思うから、簡単なものを用意するね!」

そういうと女性は綺麗なカップに珈琲を入れて持ってきます。

黒野琥珀「先に自己紹介するね。私の名前は黒野琥珀。貴方の名前は(探索者名)でしょ?よろしくね。」

⇒<知識>成功

探索者は黒野琥珀という名前がどこか懐かしい響きに感じます。

黒野琥珀「まずは現状を理解してもらおうかな。」

そういうと琥珀はテレビを着けます。テレビに映されたのは先ほど探索者が居た交差点の道路です。

その中心に先ほど車に乗っていた男がいます。そして何故か男に襲われて血を流していた人も、男と同じように焦点が合わないままふらふらとした足取りで闊歩しているのが映されます。その人だけではなく、他にも何人もの人が同様にふらふらしています。

衝撃の映像をみた探索者はSANチェック(0/1D3)

黒野琥珀「あの原因は私が論文で発表した自己複製型iPS細胞によるものなの。」

黒野琥珀「iPS細胞は本来、人の管理下において人工的に増やすものだけど、私の提案した技術を使えば人の手を借りずに自然にiPS細胞を増やすことができるの。」

黒野琥珀「その方法はウイルスを使う方法よ。ウイルスというのは宿主となる細胞を使って自己複製を行うのよ。その習性を利用してウイルスを医療に使う方法を論文にまとめたの。」

黒野琥珀「つまりウイルスが勝手にiPS細胞を作り出してくれる『都合のいいウイルス』、略して『T-ウイルス』よ!」

黒野琥珀は誇らしそうにドヤ顔します。

黒野琥珀「このT-ウイルスは再生医療を目的としたものだから、死んだ細胞からiPS細胞だけを取り出すという働きをするの。ただiPS細胞を取り出す為にはエネルギーを必要とするわ。本来、生きている人間であれば食事だけで済むのだけど、テレビに映っていたあのゾンビたちは生きた人間を、豚や鶏と同じ『肉』として摂取しようとして襲うのよ。」

黒野琥珀「襲われて死んだ人間は、襲った人間の口内感染によって更にゾンビの数を増やしていくわ。そう、ネズミ算式にね。」

黒野琥珀「死んだ人間にまさか再生医療技術を使うなんて。そんな発想、私にはなかったから、まさか死んだ人間に使うことであんな行動を取るようになるなんて思ってもみなかったわ。」

黒野琥珀は後悔したような表情を見せます。

7.3     黒野琥珀の家の地下シェルター

黒野琥珀「現状の説明についてはざっと以上よ。ついてきて。」

そういうと彼女は立ち上がり、電子レンジの前に立って探索者が来るのを待ちます。

黒野琥珀「今から言うのを覚えて置いてね。『200ワットを選択して右に回して20秒、左に回して3分、6分、スタート』っと!」

すると部屋全体が揺れ、壁が上へと競りあがっていき、窓が遠くなっていきます。壁は土石混じりに変わり、壁が上がっているのではなく、自分たちが地下へと降りていることが分かります。地下に降りていくとそこには白く塗られた壁と扉が現れます。

黒野琥珀は両手で扉の取っ手を引っ張ると20cmはある分厚い扉が開きます。

黒野琥珀「中へどうぞ。」

中に入るとまるで巨大な倉庫のように広い空間が広がっています。

黒野琥珀「ここは私が用意したシェルターよ。『来たるべき日』の為にね。」

⇒<心理学>成功

『来たるべき日』というあやふやな表現であるのに、断定しているような強い言い振りだと感じます。
※イスの偉大なる種族から飛行するポリプが必ず地上へ侵攻すると聞いているため、その日を『来たるべき日』と言っています。

⇒追及された場合

黒野琥珀「これは私を育ててくれた偉人が言っていたのよ」

そういうと黒野琥珀がその広い空間の場所を指差ししながら説明をしていきます。

黒野琥珀「ここの冷凍庫には100年分の食材を保存してあるわ。調理場はこっちでIHを使ってるわ。飲料水はここね。」

黒野琥珀「怪我をしたらここで治療してね。あ、背中の傷の手当今しちゃいましょうか。」

十分な施設が揃っていたこともあって失敗もなく、全回復します。

7.3.1      タイムマシン

探索者はふと気になる装置を発見します。人が入れるカプセル状の装置があり、それに電子レンジのような箱が2つ繋がれて置いてあります。カプセル状の装置にはHuman(人間)、電子レンジのような箱の1つ目にはMemory(記憶)、2つ目にはEnergy(原動力)とそれぞれ記載されています。

黒野琥珀は立ち止まり、その説明をはじめます。

黒野琥珀「これは私が趣味で作ったまだ試作段階のタイムマシンよ。この試作段階のマシンでは過去の観測が可能なの。これを使えばもう一度見たい過去を見ることができるわ。このあと説明するエネルギーの量によっては数秒の過去の改変も可能になる、このタイムマシンにはその程度の能力しかないわ。」

黒野琥珀「趣味で作ったものだから…そうね、あと1回使ったら壊れちゃいそう…。」

黒野琥珀はタイムマシンを撫でながら、探索者の方をチラチラと見ます。

⇒<心理学>成功

黒野琥珀は探索者にタイムマシンの説明をしたそうにしているのが分かります。

⇒黒野琥珀に説明を促す場合

黒野琥珀は円満の笑みを浮かべます。

黒野琥珀「え?知りたい?えへへ、仕方がないなぁ~。」

黒野琥珀「このカプセルのHuman(人間)と書かれたところに入ってスイッチを入れると過去が観測できるの。ほら、中にボタンあるでしょ?」

黒野琥珀「でねー、こっちのMemory(記憶)には見たい過去に関連するものを入れるの。どの年代に戻るか、その指定には固定された物の情報が必要なのよ。何故かって言うと、そうね……。

そうだ!今からコーヒーについて考えないで!……(少し間を置いて)さて、今『コーヒーについて考えないようにしなきゃ』って考えてしまって、結局コーヒーのことを考えちゃったと思うのだけど、人の頭だけだとこの『思考抑制のリバウンド効果』が邪魔をするの。

だから年代の指定にはそういう余地が入り込まない、過去に関連する大事なものとかを使うように設計してあるの。」

黒野琥珀「次はEnergy(原動力)だけど、それは存在するし存在もしないものを使うの。それはこれよ。」

そういうと胸にあるペンダントを外し、掌の上に乗せます。そこには13cm程度の一発の実弾が握られており、後ろ側には火薬等が詰った薬莢、先端には弾丸の形をした青白く輝いては薄く消えてを繰り返す不思議な鉱石がくっ付いています。

黒野琥珀「この先端に付いている青白く発光してる鉱石、これは反物質の結晶体なの。物質と合わせることで対消滅を起こして強大なエネルギーが発生するわ。」

黒野琥珀「ただ、今のタイムマシンにこれ使った場合、このサイズだと過去を観測する程度しかできないわ。もしこれがもっともっと大きなサイズであれば過去の改変もできるわ。」

黒野琥珀「今は反物質の状態で安定しているけど、強い衝撃を与えれば対消滅を起こして莫大なエネルギーを生み出すわ」

黒野琥珀「Energy(原動力)にこの反物質を入れて、スイッチが入ると衝撃が与えられて莫大なエネルギーが発生するように設計されているわ」

⇒よりEnergyについて知りたがってる場合

黒野琥珀「物質は本来プラス極の原子にマイナス極の電子がまわってる。だけど反物質はマイナス極の原子にプラス極の電子がまわってる状態なの。」

黒野琥珀「本来反物質は、この物質で作られた世界の空気、窒素、酸素、水素ですら触れれば対消滅を起こすのだけど、この結晶体にはプラスとマイナスのどちらでもないニュートリノが反物質を覆い尽くしていて安定した状態が維持されているの。梶田さんとマクドナルドさんが証明した、ニュートリノに質量があるということは物質と反物質の間に仕切りを作ることが理論的には可能ということよ。」

黒野琥珀「ちなみにこの結晶体は『ルシフェリン』って発光物質の反物質なの。ルシフェリンっていうのはホタルイカ等が放つ青白い光の正体なのよ。綺麗でしょう~!」

7.3.2      黒野琥珀自身の話

タイムマシンについて話し終えると黒野琥珀は真面目な顔を探索者に向けます。

黒野琥珀「次は私の話をするね。」

黒野琥珀「信じてくれるかわからないのだけど、実は私、未来から来たの。」

黒野琥珀「このタイムマシンを元に、試行錯誤を繰り返して100世代はバージョンが変わった完璧な時空転移装置を使ってやってきたの。」

黒野琥珀「探索者をどうしても助けたくて頑張ったんだから。この世界では貴方が生きてるし、このタイムマシンもお役目御免ね。」

⇒なぜ助けたのか聞かれたら

そう聞くと目を瞑り、穏やかな表情で答えます。

黒野琥珀「探索者は…私を救ってくれたから…。」

⇒なぜ名前を知ってるか聞かれたら

黒野琥珀「私を助けてくれた人が誰なのか調べたからよ。」

⇒タイムパラドクスについて聞かれた場合(聞かれなければ黒野琥珀から話を振る)

※このシナリオ内における時間の取り扱い説明となるので必須

黒野琥珀「私が過去にきたことで、この世界の未來が変わったのは事実でしょうね。だけどタイムパラドクスは発生しないから安心して。元々私が居た未來は、この世界にとっては過去として扱われるの。

時間という概念がこの世界において絶対的なものではないということをアインシュタイン博士が特殊相対性理論で証明しているわ。この世界において重要なのは時間ではなく、事象の経歴なのよ。」

⇒実例を挙げて補足する場合

黒野琥珀「絵や文章を書いた後、間違えたら消して続きから書き直すでしょ?それと同じで『先まで書いた』『消した』『書き直し』ということが世界として記録されてると考えてくれればいいわ。」

7.3.3      決意表明

黒野琥珀は悲しい表情で言います。

黒野琥珀「私が居た未来では、生きている人間が100人でも2人を生かして98人を殺す選択が何度も行われてきたわ。バイオハザードというのは生かした方に感染者がたった1人居るだけで生存者は0になってしまうの。そのリスクを最小限に抑える為にね。そうして生き残った2人が子供を産んで、将来的には100人にも1000人にもなる。そう割り切るしかなかったわ。」

黒野琥珀「そうして苦しい選択の中で、ついに死んだ人間にT-ウイルスを使っている組織がいるという情報を掴んだわ。だけど、もう人の手ではどうしようもなく手遅れだったわ。外はゾンビだらけで近寄る事すらできなかった。だからまだ間に合う今のうちに、私はこれから事態の鎮静化をしに行くわ。

探索者は危ないからここに居てね。」

そういう彼女の表情は硬く強張り、身体も小さく震えているのが分かります。

⇒<心理学>成功

感情を押し殺そうとしているのが分かります。黒野琥珀の頭脳は人間を凌駕していても、心は人間なのだと感じます。

⇒このまま隠れている場合

エンディング『シュレディンガーの猫』

⇒一緒に行く場合

黒野琥珀「探索者…ありがとう。」

黒野琥珀「手伝ってくれるのなら、せめてこれを使って。」

グロック17 9mmオートマチック(CoC基本 P.70)(ダメージ1D10、1ラウンド3回攻撃、装填数17)と防刃ベスト(HP4代替わり)を手渡されます。

黒野琥珀「弾は入っているのが最後。」

黒野琥珀は防刃ベストを着こみ、アンチマテリアルライフルのバレットM83を担ぎます。

黒野琥珀「時間が惜しいから後は向かいながら話すね。着いてきて。」

⇒タイムパラドクスについて話していない場合

黒野琥珀「そういえば、タイムパラドクスって知ってる?」

黒野琥珀「これから私達がすることは大きく未来を変える行為。大事なことだから話しておくね。」

⇒『7.3.2 黒野琥珀自身の話 ⇒タイムパラドクスについて聞かれた場合』を参照

8     警察署

黒野琥珀「T-ウイルス感染者は今の人数ならまだ人の手でどうにかできるわ。問題なのはさっきも言った死体にT-ウイルスを使う組織がいるの。その組織が今回のT-ウイルス騒動を見て本格的に動き出す前に止めることができれば、この事態は沈静化するわ。」

黒野琥珀「その組織の居場所は見当が付いてるわ。この先にある警察署よ。」

そうやり取りしていると奥の方には警察署が見えます。

黒野琥珀「まずはあそこに見える警察署の地下1階にある武器庫を目指しましょう。有りあわせの装備じゃまともに戦うのは厳しいから。」

※この先はKPアドリブ多めになります。

※PLの提案を不可能でなければなるべく取り入れるようにします。

⇒グールに見つかった場合戦闘になります。

⇒グールを初めて目撃した場合の処理は下記の通り。

犬のように尖った口の中に鋭い牙を持ち、鋭い鉤爪の付いた手、蹄のような脚をもつ人ならざる生物。その生物は動物の皮と異なり、ゴムのような弾力のある皮膚に覆われていた。このようなおぞましい生物を目撃してしまった探索者はSANチェック(0/1D6)

⇒既に1度見つかった(ノーアラート失敗)場合

階層移動等、シーンの切り替え時に探索者の<幸運>でシークレットダイスを振って失敗したらグールの見回りと遭遇させて、キル数を稼がせていく。

8.1     警察署1階

入口は自動ドアで、ガラス越しに中の様子を確認することができます。

黒野琥珀「どうしよう。入口が自動ドアだと入ったらバレちゃいそう。」

⇒中の様子を見る

中の様子を見ると椅子が並んでおりその奥に受付と書かれた看板とテーブルが見えます。

受付には2つの人影のようなものが見えます。

⇒しばらく待つ

人影の1つがトイレへと向かっていくのが見えます。

黒野琥珀「あ!今じゃない!?ねえ、探索者、どうかな?」

⇒屈みながら入る場合

自動ドアが開きます。

グール「ん?何だ?」

と、壁(MAPの下)側を通ってドアの近くに寄って来ます。

⇒<幸運>に成功

猫が自動ドアの前を通ります。

グール「なんだ、猫か。」

受付に向かって戻って行きます。

⇒<幸運>に失敗

持ち物が落ちて音を立ててしまいます。

⇒そのまま入る場合

グール「ん?何だ?」

と、トイレ側と壁側(下側)で椅子を挟むように向かってきます。

8.2     警察署B1階

地下に降りて来ると鉄格子で閉じられた留置所とプレートが張られた部屋、武器庫、検死室とプレートが張られたドアがあります。ドアにはカードキーを翳す装置があります。

⇒<聞き耳>成功

鉄の臭いと腐臭がします。

8.2.1      Lv2カードキーを手に入れる前

留置所の壁には直径3cmはある鉄の棒がいくつもあり、脇にドアがあります。鉄の棒の奥に人影が見えます。

留置所の奥から痩せこけて前かがみの人が鉄格子の方へと寄ってきて声をかけてきます。

留置所の男「あんた達、どうやって来たんだ?俺を出してくれ…。こんなところに居たら狂ってしまう…。」

留置所の男「俺は運よくこの鉄格子のお陰で襲われずに済んだんだ。」

話をしていると、階段の方から誰か1人下りてくるような音が聞こえます。

留置所の男「あんた達が見つかったら希望が無くなっちまう。早く隠れてくれ。」

⇒武器庫に入ろうとする

鍵が掛かっているのかドアが開きません。

⇒検死室に入ろうとする

ドアが開きます。

8.2.1.1      検死室

中に入ると検死用の手術台が3台と霊安室と書かれた7つのロッカーが見えます。

同時に鉄臭さと生ゴミのような腐臭が同時に鼻を刺激します。その正体は嫌でも目に入るでしょう。

警官の服装をした人が幾度にも切り刻まれた死体が山のように無造作に積み上げられ、噛み千切られた人の皮が周辺に散らばっています。この凄惨な光景を目にした探索者はSANチェック(1/1D4+1)。

足跡は階段を下りるような音がしたあと、ガン!と叩く音が聞こえます。

留置所の男「ひいい!!」

と留置所の人の声が聞こえ、留置所の鉄柱を叩いた音だと分かります。

グール「ぐふふ、いつも新鮮な反応してくれるから楽しいな。」

足跡はこちらに近寄ってくるのが分かります。

⇒ロッカーを開ける場合

ロッカーを開けると白い冷気が溢れ出し、冷やりとした空気が身体を包みます。

白い霧が晴れるとスライド式のベッドの側面が見えます。

⇒ベッドを引き出す場合

ベッドを引き出すと血の気のない白い肌と薄い唇の綺麗な状態の遺体がでてきます。

⇒隠れない、見つかった場合

通常のグールとの戦闘

⇒思いつく方法で隠れる

ケースによっては<幸運>判定

⇒霊安室に隠れた場合

探索者の身体を冷気が包み込みます。CON×5で冷気に耐えられるか判定します。

貴方の身体は熱を奪われ身体は自然と小刻みに震え出します。

耳は凍ったような痛みを感じます。探索者は指先に痛みを感じます。

⇒CON×5に失敗

指先を動かしてみようとしますが、動いているのか動いていないのか分からなくなる。

自分の身体はすぐに動けなくなって、暗く狭い上手く動くこともできない空間でそのまま死んでしまうのではないか。そんな恐怖に襲われてしまいSANチェック(0/1)

⇒死体の山の中に紛れた場合

強烈な異臭に吐き気を催します。CON×5で耐えられるか判定します。

⇒CON×5に失敗

探索者は耐えられず胃酸と共にお腹の物を吐き出し、咳き込んでしまいます。

化け物が死体の山に近づきます。

死体の身体を一つずつ鉤爪めで引っ掻いています。

⇒動こうとしない場合、黒野琥珀が探索者を守ろうと動きます。

⇒見つからなかった場合

鼻をクンクンとさせながら化け物は探索者の方へやってきます。目と鼻の先にそいつの顔はやってきます。

化け物の鋭い爪が探索者の目の前にくる。

探索者の身体に冷たい液体が流れ、垂れていくのを感じる。

ずるり…と探索者の横で擦れる音がすると、男性の死体を引きづり出した。

化け物は検死用の手術台に死体を置くと鉤爪と牙を使って腕を千切り、加えたまま部屋から出て行った。

⇒死体の四肢をもぎ取る場合

豚や鶏のように人の肉をもぎ取ろうとします。解体作業をしていると死んでしまった人の体に尊厳はあるのだろうかと考えてしまうだろう。そう考えると人の尊厳を冒している自分は、人の命を奪う殺人鬼と何が違うのだろうかという考えに至ってしまいます。自分の行為に恐怖を覚えた探索者はSANチェック(0/1D2)

8.2.1.2      留置所

留置所の前を通ると奥の方からまたのそのそと寄ってくる。

留置所の男「ああ、あんた、上手くやり過ごせたんだな。良かった。」

留置所の男「すまないが、腹が減りすぎて辛い…。何でもいいから食い物をくれ…。さっきの怪物が咥えてた肉を俺にも持ってきてくれ…頼む。」

⇒何か質問しようとする場合

留置所の男「持ってきてくれたら…質問に答えるよ。…俺も限界なんだ。」

※食べ物を渡せば質問に答えてくれる。

⇒武器庫について聞く

留置所の男「ああ、この建物のドアはカードをかざして開けるタイプのようだ。カードにはレベルが書かれていてLv2とLv3の2種類あるようだ。武器庫はその区分で言うとLv2と生きていた警察官が言っているのを聞いたよ。」

留置所の男「Lv2のカードキーはオフィスルームの何処かに置いてあるらしい。ちなみにこの留置所もLv2なんだ。カードキーを見つけたら開けてくれ。」

 ⇒他に何かないか聞く

留置所の男「カードをかざせばカギが開くが、再度カードをかざせばカギが閉まるようだ。」

8.2.2      Lv2カードキーを手に入れた後

8.2.2.1      留置所

留置所の壁には直径3cmはある鉄の棒がいくつもあり、脇にドアがあります。鉄の棒の奥に人影が見えます。

⇒人の肉を食べ物として渡した場合

奥の方でクチャクチャと咀嚼音が聞こえます。先ほどとは違いこちらに来る様子はありません。

⇒声を掛ける場合

返事はなく、くっちゃくっちゃと咀嚼音だけが聞こえます。

⇒カードキーをドアにかざした場合

ピーという電子音の後、カチャっと鍵が外れた音が聞こえます。

⇒ドアを開けて入る場合

中の男は食べるのを止め、探索者の方を振り返ります。

留置所の男(グール)「肉だ…。美味そうだ…。」

『⇒中の人物を見た場合』を実施

通常のグールとの戦闘開始

⇒カードキーをドアにかざさないまま武器を調達して、前を通った。

ドタドタと音を立てて鉄格子に全身を宛て、腕を鉄格子の間に通して鉤爪で引っ掻こうとします。

⇒中の人物を見た場合

そこには留置所の男の面影を残し、口には犬のように発達した強靭な顎、5本の指があったはずの手は犬の足のように変わり鋭い爪の生えた化け物がいた。人間が化け物に変わるという事実を知った探索者はSANチェック(0/1D2)

8.2.2.2      武器庫

カードキーをかざすところにはレベル2と書かれています。

⇒レベル2のカードキーをドアにかざした場合

ピーという電子音の後、カチャっと鍵が外れた音が聞こえます。

⇒中に入る

中には武器類が整理整頓されて立てかけられています。

※欲しい武器が置いてあります。

※大量に持っていく場合はDEXにマイナス補正を掛けます。

黒野琥珀「こう見えて結構ライフルの賞を取ってるの!なんたって弾道の計算とか物理の問題だし、そういうの得意だからね!」

⇒武器を選び終わった時に、留置所のカギを開けていて男が生存していた場合

ガチャリとドアに何かが入ってきます。

「8.2.2.1留置所」「⇒中の人物を見た場合」を実施。

8.3     警察署2階

8.3.1      オフィスルーム(Lv1)

カギは掛かっていません。中に誰もいません。

⇒オフィスルームの中に入る

中に入ると職員机とキャビネットが並んでいます。

⇒キャビネットを調べる

人が一人分入れそうな大きめの段ボール2つとガムテープが見つかります。

⇒奥の机を調べる

鍵が掛かっている引き出しがあります。

黒野琥珀「カギが掛かってるなんて、カードキーがすごくありそうね!」

⇒カギを探す

見つかりません。

⇒<鍵開け>や他の行動で開ける場合

引き出しは開き、『レベル2』と書かれたカードキーが入っています。

⇒引き出しを開ける方法が浮かばない場合

※部屋に入ってくるグールが鍵を持って入ってくる。

部屋の外から足音が1つ近づいてくるのが聞こえます。時間の猶予を与えて行動を取ってもらう。

化け物が1体部屋に入ってきます。(行動はKP判断)

⇒奥にある机以外の机

探索者から捜したいものの申請があれば、ここで<幸運>等で見つけることができる。※アンパンなど

8.3.2      取調室

カギは開いています。

⇒<聞き耳>成功

中から物音がします。

⇒中に入った場合

中に入ると部屋の中央に取調べ用の机が向い合せに置いてあり、部屋の隅には調書用の作業机が置いてあります。壁には大きな鏡が張られており、その鏡の前には今まで見ていた化け物の1.5倍の大きさをした化け物がいます。

巨大な化け物は鏡に向かってボディービルダーのようなポーズを取り、自分の筋肉の確認をしているのが見えます。

※鏡に映らなければ戦闘にはならない。

※ミラー室からマジックミラー越しに覗くとトレーニングルームへこの化け物は移動します。

⇒巨大な化け物を、ドア側とは反対から見ることができた場合

巨大な化け物の着用している服のポケットが、筋肉に押しつけられてくっきりとカードキーらしき形が出ているのに気が付きます。

8.3.3      ミラー室

カギは開いています。

⇒中に入った場合

部屋は暗く、壁に大きなガラスが付いています。

⇒ガラスの方を見る場合

今まで見ていた化け物の1.5倍の大きさをした化け物がガラス越しにこちらの方を向いています。

巨大な化け物はガラス越しにこちらに向かってボディービルダーのようなポーズを取り、自分の筋肉の確認をしているのが見えます。

巨大な化け物の着用している服のポケットが、筋肉に押しつけられてくっきりとカードキーらしき形が出ているのが見えます。

満足したように頷くと、ガラスの前から巨大な化け物は移動し、ガチャリとドアを開ける音が聞こえ、またガチャリとドアを開ける音が聞こえます。

⇒<聞き耳>成功

2度目のドアを開ける音がするときにピーという機械音が聞こえます。

前の部屋を出て、近くの何処かの部屋に入ったと感じます。

8.3.4      トレーニングルーム

カードキーをかざすところにはLv3と書かれています。

⇒ミラー室から巨大グールが移動していない時に開けようとする場合

カギが掛かって開きません。

⇒ミラー室から巨大グールが移動した後に開けようとする場合

カギが開いています。

⇒中に入った場合

中に入るとベンチプレス、エアロバイク、バタフライ(胸を開いたり閉じたりするやつ)といった運動器具が置いてあります。部屋の奥にはシャワールームと書かれた部屋があり、ドアの代わりに防水カーテンで仕切られています。

先ほど見た巨大な化け物は調度防水カーテンをくぐり、シャワールームへ入っていくのが見えます。

⇒部屋を調べる場合

ベンチプレスの台の上には大きな服とタオルが置いてあります。

巨大な化け物「誰かいるのか?」

シャワールームの方から声がするのが聞こえます。

⇒返事をした場合

巨大な化け物「俺以外にも筋肉を鍛えたいと思うやつがいるとは感心だ。」

巨大な化け物「頼みごと何だが、そこに置いてある服とタオルを持ってきてくれ。」

⇒ベンチプレスの上にある服を持っていった場合

巨大な化け物「ありがとう。代わりにこれを持っててくれ。」

巨大な化け物が着用していた服をカーテン越しに渡してきます。

⇒服を調べる

『レベル3』と書かれたカードキーが見つかります。

⇒返事をしなかった場合

巨大な化け物「おい、居るのは分かってるんだぞ!」

そう言って巨大な化け物がカーテンを開け、勢いよく飛び出し、目が合います。

巨大な化け物「まだ貧弱な人間がいたのか!!」

ベンチプレスのバーベルの重りを持ち上げると、ブンと放り投げてきます。重りはドアにぶつかり、重りが積み重なります。

ドアを開けようとしても重りが邪魔で容易には開けられないことがわかります。

戦闘開始『巨大なグールと戦闘』

8.4     警察署3階

8.4.1      ヘリポート(屋外)

カードキーをかざすところにはレベル3と書かれています。

⇒レベル3のカードキーをドアにかざした場合

ピーという電子音の後、カチャっと鍵が外れた音が聞こえます。

⇒ドアを開ける

ドアを開けると明りのない暗い夜の空と人工的な明かりが地平線に広がっており、対照的に見えます。

ヘリポートがあり、そこにはヘリコプターが停止しています。

⇒ヘリコプターを調べる場合

ドアにカギが掛かっています。

⇒<鍵開け>成功

ヘリコプターのドアが開きます。

ヘリコプターの操作はそのままできそうです。

8.4.2      署長室

カードキーをかざすところにはレベル3と書かれています。

⇒レベル3のカードキーをドアにかざした場合

ピーという電子音の後、カチャっと鍵が外れた音が聞こえます。

⇒中に入る

中に入ると部屋の奥に黒い執務机があり、部屋の中には大量の死体が無造作に並べられています。

黒い執務机にはベレー帽を被った化け物が座っています。その化け物は何かを葉巻の様に加えています。それは人間の爪があり、人の指であることがわかります。

署長グール「誰かと思ったら…貴方は黒野琥珀先生ではないですか。先生のTウイルスの論文には驚かされましたよ。ここで会えて光栄です。」

署長グール「先生、見ててください。」

ベレー帽を被った化け物はペンを取り出し、自分の腕に突き刺して見せる。

署長グール「Tウイルスは死んだ細胞を自分の細胞として取り込むことができる。これは死肉を好む私達グールにとって、とても相性が良い。」

ペンを引き抜くと血が流れ出ているが目で見て分かる速度で傷口が塞がって行きます。

署長グール「私はもっともっとTウイルスと死肉を取り込んで、不死の体を目指そうと考えているのですよ。」

署長グール「不死の体を手に入れたらのんびりと地上侵略を進めていきますよ。その時に唯一の対抗となりえる先生には申し訳ありませんがここで死んでおいてもらいます。」

ベレー帽を被った化け物は部屋の大量の死体に対して言い放ちます。

署長グール「そこのお二方を食い千切りなさい。」

そういうと倒れていた死体はゆっくりと動き出すのが見えます。

※呪文《黒い束縛》によってゾンビが命令に従っています。

戦闘開始『署長室のグールと戦闘』

⇒戦闘に勝利したら

後述の章『来たるべき日』へ進む

9     戦闘開始

9.1     通常のグールと戦闘

HP:12 MP:13 SAN:- ダメージボーナス:0

STR:12 DEX:13 INT:13 CON:12 APP:- POW:13 SIZ:12 EDU:-

装甲:火と投擲によるダメージを半分(端数切り上げ)にする。

技能:〈かぎ爪(1D6+db)〉30、〈噛み付き(1D6+1D4)〉30、

〈穴掘り〉75、〈登攀〉85、〈隠れる〉60、〈跳躍〉75、〈聞き耳〉70、〈腐敗を嗅ぎ取る〉65、〈忍び歩き〉80、〈目星〉50

SANチェック:0/1D6

9.2     巨大なグールと戦闘

HP:18 MP:13 SAN:- ダメージボーナス:1D6

STR:22 DEX:10 INT:8 CON:18 APP:- POW:13 SIZ:18 EDU:-

装甲:火と投擲によるダメージを半分(端数切り上げ)にする。

技能:〈かぎ爪(1D6+db)〉30、〈噛み付き(1D6+1D4)〉30、

〈穴掘り〉75、〈登攀〉85、〈隠れる〉60、〈跳躍〉75、〈聞き耳〉70、〈腐敗を嗅ぎ取る〉65、〈忍び歩き〉80、〈目星〉50

SANチェック:0/1D6

9.3     署長室のグールと戦闘

特殊な戦闘が入ります。

9.3.1      署長室のグール

HP:28 MP:13 SAN:- ダメージボーナス:1D4

STR:16 DEX:13 INT:13 CON:15 APP:- POW:13 SIZ:13 EDU:-

装甲:火と投擲によるダメージを半分(端数切り上げ)にする。

技能:〈かぎ爪(1D6+db)〉30、〈噛み付き(1D6+1D4)〉30、

〈穴掘り〉75、〈登攀〉85、〈隠れる〉60、〈跳躍〉75、〈聞き耳〉70、〈腐敗を嗅ぎ取る〉65、〈忍び歩き〉80、〈目星〉50

呪文:《黒い束縛》(P.257)

SANチェック:0/1D6

特殊:T細胞の活性化により耐久力上昇(HPが倍)。

死体を食べている間T細胞による自己再生(毎ターン終了時に1D6自動回復 )。

9.3.2      ゾンビ

HP:14 MP:- SAN:- ダメージボーナス:1D4

STR:15 DEX:2 INT:- CON:15 APP:- POW:1 SIZ:13 EDU:-

装甲:貫通する武器は1ダメージ。その他はダメージを半分(端数切り上げ)にする。

技能:〈噛み付き(1D3)〉30 ※武器はないので攻撃手段は噛み付きのみ

〈命令に従う〉99、〈人間の肉を追いかける〉99

SANチェック:1/1D8

9.3.3      戦闘方法

黒野琥珀「大丈夫、あいつさえ倒せば皆止まるからあいつだけを狙って!」

戦闘開始時にゾンビの2体が床を這い吊りながら探索者と黒野琥珀それぞれの足にを1体ずつガシっと掴んできます。(DEXー1)。

次回以降、毎ターン終了時にゾンビの1体が同じように足を掴み這い上がろうとしてきます。STR×5とCON×5の複合ロールします。

⇒STR×5とCON×5の複合ロールで両方に成功

新たに掴みかかってきたゾンビを振り払うことができます。(特になし)

⇒STR×5、CON×5の複合ロールで失敗があった場合

振り払おうとしますがゾンビはしっかりと掴みかかって離れません。(失敗した分DEX-1する)

※例:STR×5に成功して、CON×5に失敗した場合はDEX-1。STR×5に失敗して、CON×5にも失敗した場合はDEX-2。

⇒DEXが半分になった場合

戦闘技能の成功率が半分になる。

⇒DEXが0になった場合

ゾンビの重みで身体は身動きが取れなくなり、ついに床に伏せてしまいます。

身動きの取れない状態で皮膚に固い何かが当たります。圧力が掛かり激痛が走り、火傷のような熱と激痛が残ります。その痛みから、自分は食われていると、それはただ殺されることと比べようもなく侮辱的で、自らの肉体は食い物なのだと訴えかけてくる。その事実にSANチェック(1/1D8)

※組み付き状態の為、<噛み付き(1D3)>が自動成功します。そしてゾンビは(掴みかかったゾンビの数)D3のダメージを負います。

10        来たるべき日

10.1  グールの些細な抵抗

ベレー帽を被った化け物の身体にできた傷からは赤い血液がドクドクと流れていく。その血液は雫となり、床を濡らしていきます。

先ほどは目で見て分かる速度で傷口が塞がっていたが、今は塞がる様子は見られません。

署長グール「我々に地上侵攻には早計すぎたようですね…。窮余の策…地下で見つけた化け物に、地上侵攻を託しましょう…。」

そういうとベレー帽を被った化け物は何処から取り出したのか、スイッチが付いた小型の機器を取り出しボタンを押します。

遠くの方で地鳴りが聞こると小さな揺れを感じます。

⇒<聞き耳>に成功

探索者は微かな揺れではありますが、それが横ではなく縦に揺れているのを感じます。

黒野琥珀はベレー帽を被った化け物に駆け寄り、掴みかかって激しく揺さぶります。

黒野琥珀「一体何をしたの!?答えなさい!!」

ベレー帽を被った化け物は糸が切れた人形のように揺れるだけで、何も答えることも反応もしません。

揺さぶったことで何かが床に落ちるのが見えます。

⇒ベレー帽を被った化け物を調べる場合

既に事切れているようです。

⇒落ちた何かを確認する

ヘリポートマークの付いた車のキーのようなものが落ちています。

⇒『8.4.1ヘリポート(屋外)』を参照しながら脱出を試みる場合

黒野琥珀「探索者はヘリコプターの操縦したことある?」

⇒ない場合

黒野琥珀「それじゃ私が操縦するわ!大丈夫!安心して!」

⇒<聞き耳>成功

黒野琥珀「…知識だけはあるから。」

と小さく呟いたのが聞こえます。

⇒<心理学>成功

額にうっすらと汗をかき、指先が小さく震えて、不安に感じていることがわかります。

⇒ある場合

※以降は『ない場合』を想定した文となるので読み替えて進めてください。

バッテリーのスイッチを押し、各種のスイッチをONにパチ、パチと音を立てて変えていきます。

エンジンが掛かり、プロペラが回転を始めます。

プロペラの回転数がドンドンと上がっていき、操縦桿を握ると身体が浮いたような感覚がします。

黒野琥珀「良かった!飛んだ!飛んだよ!」

黒野琥珀ははしゃいだ声で喜びます。

⇒その他の方法で脱出を試みる場合

目の前で天井が崩れ、道が塞がってしまう。

10.2  脱出後

それと同時に警察署の方からガラガラと土砂崩れのような轟音が響きます。音のする方を見ると先ほどまで居た警察署は消えていました。その代わりに巨大な穴が開いています。深く、深く、どこまでも深く、光が届かず底が見えない程の深さです。

もしもあのまま留まっていたらこの穴に落ちて死んでいたという事実に恐怖を覚えSANチェック(0/1)

黒野琥珀「あれは…シンクホールというものね。特にメディアで取り上げられるシンクホールの穴は直径80~250m、深さ100~350mのものが有名ね。」

黒野琥珀「シンクホールについて説明すると、発生個所は予測不可能で地底から徐々に地面が解けて穴が拡大されていくの。そして最後に地表が吸い込まれるように穴の中へ落ちていく、本当に恐ろしい現象よ…。あと一歩遅かったら私達も落ちて死んでいたわ。本当に危機一髪だった…。」

穴の中から砂を巻き込んで突風が吹き上げます。

突風がヘリコプターに当たるとなぜか穴の方へと引っ張られてる感じがします。

黒野琥珀「上昇するように操作してるのに、高度が下がってる!風は吹き上げてきてるはずなのに!?」

ヘリコプターは風に煽られるように前後左右にブンブンと揺られます。

まるで風という見えない姿をした触手に捕まれているかのように強く揺れ、そのままどこかの建物の屋上へと勢いよく落ちていきます。

黒野琥珀「ダメ!墜落する!捕まってて!!」

黒野琥珀は操縦桿を握り、なるべく屋上の床と水平に保とうとします。

屋上の床が目の前に迫り、直撃すると感じます。ですが、先に回転していたプロペラが床にぶつかり、直撃を免れます。プロペラの動きに合わせて機体は円を描き、ガリガリと屋上の床を引きずる音を立てながらゆっくりと停止します。

機体の中にガソリンの臭いが充満します。

黒野琥珀「爆発する!降りて!!」

そういうと黒野琥珀はすぐにドアを開けて外へと走っていきます。

探索者はDEX×5でロール

⇒DEX×5に失敗した場合

探索者は機体から出ようとしますが脚が縺れて、たった数秒遅れを取ってしまいます。

黒野琥珀はそばにあった塀の後ろへ周り、

黒野琥珀「こっちにきて!」

と叫びます。

後ろでヘリコプターがガス爆発を起こし、爆風に煽られて飛んできた破片が身体に直撃します。(1d3ダメージ)

⇒DEX×5に成功した場合

探索者は機体からすぐに脱出することができます。

黒野琥珀はそばにあった塀の後ろへ周り、

黒野琥珀「こっちにきて!」

と叫び、手を伸ばして塀の後ろへと引っ張ります。

後ろでヘリコプターがガス爆発を起こし、爆風に煽られて飛んできた破片が塀にガンガンと当たる音がします。

竜巻状の風が穴の中から巻き上がります。風は笛のような音がし、不協和音を奏でています。

竜巻状の風は穴の中から出て上空へと上がって行きます。小さな瓦礫や砂埃を巻き込み、その風がまるで繭のように渦を巻いているのが分かり、大きさはクジラ程はあります。

繭状の竜巻は突然外側への突風へと変わり周りに瓦礫と砂埃を吹き飛ばします。すると繭の中に何かがいることがハッキリと見えてしまいます。

その何かは、半ポリプ状で刺胞動物が群生したような形状をしており、大小いくつもの見開かれた目玉が血走りながら瞬きもせず全方向を見据え、鋭い牙の生えた大きな口がいくつもあり魚のようにパクパクとさせます。身体からはイソギンチャクのように多数の触手が形成されては引っ込んでなくなったりと常に流動しています。その巨大な身体は翼もなく、まるで海の中で漂うクラゲの様にふわふわと浮かんでいた。そんな悍ましい生物を目撃してしまった探索者はSANチェック(1D3/1D20)

そして先ほどの様々な瓦礫を巻き込んだ突風が探索者と黒野琥珀を襲い、簡単に身体を浮かせて、更に遠くにある建物の屋上まで吹き飛ばされて壁に叩きつけられます。(1d6ダメージと狂気発症していれば正気を取り戻す。)

黒野琥珀「あ゛あ゛あ゛あ゛ああああ!!」

探索者の隣から苦しみ叫ぶ声が聞こえます。

先ほどの突風の時の瓦礫に混ざっていたのか、建物の破片から飛び出た1本の長い鉄筋が黒野琥珀の身体を貫通し、背の壁に突き刺さっていた。

黒野琥珀の息は荒く、辛そうに眼を開き、鉄筋の方を見た後、何かを決意したような表情をする。

黒野琥珀「あの飛行するポリプ状の生物は私を育ててくれた偉人から聞いていた生物よ。本来私がアイツをどうにかする役目なんだけど、私は見ての通りもう動けそうにないわ。代わりをお願い…私もできる限りサポートするから。」

そう説明している間、遠くで飛行するポリプ状の生物が逃げ足の遅い人間とゾンビたちを一度に10本以上の触手で何人も掴み、そのまま口の中へと運んでは咀嚼しているのが見えます。そして新たな餌を求めて探索者達からどんどんと離れていきます。

建物の上を風に乗るように飛び回るそいつはとても走って追いつけるような速度ではありません。

黒野琥珀「まずアイツに物理的なダメージは殆ど通らないわ。」

黒野琥珀「アイツに対して有効なのはこの弾丸だけよ。」

そう言って黒野琥珀は胸のペンダントから一発の実弾を取り外します。それはタイムマシンの説明の時に見せてくれた青白く輝いては薄く消えてを繰り返す鉱石の付いた実弾です。

黒野琥珀「これをあの生物に当てることで高エネルギーの爆発が起きるわ。理想はアイツの大きな口の中に射撃することね。」

続けて黒野琥珀が肌身離さず持っていたアンチマテリアルライフルのバレットM83を渡してきます。

黒野琥珀「射撃にはこれを使って。私のスコープは倍率を高く調整してあるから500m先がハッキリ視認できるくらいの性能はあるわ。だけどアイツは私達からどんどん遠ざかってる。」

飛行するポリプ状の生物は探索者から900mは離れたところにいます。

10.3  スナイピング

黒野琥珀「弾丸を込めて!」

⇒実弾を込める。

探索者は手慣れた手つきでカートリッジを一度抜き、手渡された実弾をカートリッジの中へ押し込み、装填します。

重たいレバーを引くと、カチと装填された音が聞こえます。

⇒スコープを覗き込みます。

スコープを覗き込むと同時に、生物は暴食が極まったのか緩やかな風が生物を纏い、姿が消えます。<ライフル>の成功率が100下がります。

黒野琥珀「あれは……なるほど。大丈夫、姿は消えたけど、アイツはちゃんと存在するわ。アイツが今見えないのは蜃気楼と同じ原理を使っているせいね。さっき見えたあの緩やかな風は気圧のカーテンといったところ、気圧差を利用して光を屈折させているだけよ。」

黒野琥珀「あの巨体を隠す程の大きな気圧のカーテンを作る為に、大掛かりに空気を圧縮しなくてはならないからそれに伴う音が聞こえるはずよ。良く耳を澄ませて!」

<聞き耳>を振る。

  ⇒<聞き耳>成功

あの生物がいるであろう方向から常に不快で吐き気を催すような不協和音が響いているのに気が付きます。

スコープ越しに、音の方向を見ると微かに世界が歪んで見える部分があることが分かります。<ライフル>の成功率が50上がります。

居るであろう場所を視認できた探索者は、それが射程距離圏外であることが分かります。通常であれば長距離射撃による<ライフル>マイナス補正(成功率1/2)が掛かることが分かります。

黒野琥珀「あの距離を狙って打つには難しいわ。普通ならね。」

黒野琥珀「だけど探索者と私ならそれも理論的に可能になるわ。大丈夫、安心して、探索者なら成功するわ。だから心を落ち着かせて、当てる事に集中して。」

慎重な射撃体勢を取ることで射程距離が倍の1kmになり、長距離射撃による<ライフル>マイナス補正(成功率1/2)が無くなります。

そして、飛行するポリプ状の生物は大きく狙撃の的としては当てやすいと感じます。<ライフル>の成功率が10上がります。

⇒<聞き耳>失敗

黒野琥珀「私がしっかりサポートするから安心して。……今、あなたが向いている方角から20度左に行ったところから音がするわ。」

方向に合わせて耳を澄ませるということで<聞き耳>+25で再度振る。

⇒<聞き耳>成功

『<聞き耳>成功』の処理へ

⇒<聞き耳>失敗

黒野琥珀「仕方がないわ。私が説明するからそれに合わせて目標を確認して。」

黒野琥珀は細かく指示します。

『<聞き耳>成功』の処理へ※<ライフル>の成功率は50→25上がるように変更して処理します。

黒野琥珀「バレットの初速平均が853m/sで…アイツの今いる場所は950m先、高度は60mってところね…。風向きと風速は…となると空気抵抗は…そこに重力加速度が加わって…。あとはアイツの纏ってる風によって発生する入射角のブレは…。」

ブツブツと考えが時々口に出ています。

黒野琥珀「スコープの照準の調整をお願い。上に3.8メモリ、左に5.1メモリ動かして。それで、物理学的に問題ないわ。」

⇒調節した場合

<ライフル>の成功率が50上がります。

黒野琥珀「あとは…探索者の射撃の癖を考慮して。呼吸すると合わせて身体が無意識に動いてしまって射角が変わってしまうとかね。この長距離射撃における1度のズレは着弾点に17.4メートルの誤差が生まれるわ。」

黒野琥珀「探索者がこの場に居てくれて本当に良かった…。私は…頭では理解できても…気持ちや身体が付いていけないから…。」

黒野琥珀「あとは任せたわ…。大丈夫、探索者ならできる…。」

そういうと黒野琥珀は鉄柱の刺さった身体を手で抑えながら、探索者を見守ります。

探索者は射撃時に考慮することを指定してくれれば<ライフル>の成功率があがります。

(例)射撃時に息を止める。

⇒射撃時に意識することを明言する

<ライフル>または<DEX×5>で振る。

⇒<ライフル>または<DEX×5>に成功

頭で意識すると身体はしっかりとついてきます。

(100-<ライフル>の成功率)÷2が<ライフル>の技能にプラス補正される。

⇒<ライフル>または<DEX×5>に失敗

考えをめぐらせたことで身体が若干ついてきた気がします。

(100-<ライフル>の成功率)÷4が<ライフル>の技能にプラス補正される。

⇒他に何かあれば

KP判断でプラス補正する。

⇒狙撃する。

<ライフル>を振る。

トリガーを引くとガン!という音と同時に、射撃による反動が肩に圧し掛かります。銃の先端に付いているマズルブレーキから火薬の臭いのする煙が吹き、土埃りを巻き上げます。排莢口(エジェクションポート)から空の薬莢が排出され、床に当たってカランカランと金属音を立てます。

打ち出された弾丸は、飛行するポリプ状の生物のいる方に向かって青白い残光を残して軌道を描き、1秒を掛けてその軌道は空間の歪みへと消えていきます。

⇒<ライフル>成功で次の『狙撃成功』へ

⇒<ライフル>失敗で『狙撃失敗』へ

10.4  狙撃成功

何も見えない空間から、閃光が漏れ、空気の震え(衝撃派)が走りぬけます。

甲高い音が鳴り響き、空間の歪みから飛行するポリプ状の生物の姿が現れます。その生物の肉体はボトボトと体を崩しながら地へと落ちていくのが見えます。もはや原型を留めないそれは崩壊の一途を辿っているように見えます。

黒野琥珀「良かっ…た。」

黒野琥珀は血まみれの手で懐から一枚の古い写真を取り出し、話し掛けます。

黒野琥珀「私さ…立派な大人になれたかな?」

⇒声をかけた場合

探索者が掛けた言葉に返事はありません。

⇒立派だったと声をかけてた場合

表情は穏やかで、嬉しそうに見えます。

写真を握る手は力なく床に落ちています。

⇒写真を見る

その写真にはどこかの公園で仔猫と戯れる誰かと、もう一人の子供がいた。

仔猫と戯れる誰かの部分には黒野琥珀の血が滲んでいて、姿は見えません。

もう一人の子供は、小さい頃の探索者に良く似ています。

ボトリと何かが探索者の方へと落ちてきます。それは先ほどのポリプ状の生物の肉片に見えます。(衝撃派で探索者のいる遠いここまで飛んできた。)

その肉片は焼け焦げた臭いと共に溶けて、屋上の床の中へと吸い込まれていきます。すると溶けた肉片の中から見覚えのある青白い輝きを持つ結晶体が現れます。結晶体は弾丸に着いていたものとは比較にならない程の大きさで、人の頭ほどあります。

⇒タイムマシンのところへ行くと宣言

次『11.1タイムマシン』へ

10.5  狙撃失敗

狙撃地点よりも遠く、およそ5km先で閃光と空気の震え(衝撃派)が走りぬけます。

黒野琥珀は血まみれの手で懐から一枚の古い写真を取り出し、話し掛けます。

黒野琥珀「私さ…立派な大人になれたかな?」

⇒声をかけた場合

探索者が掛ける声に返事はありません。

⇒立派だったと声をかけてた場合

表情は穏やかで、嬉しそうに見えます。

写真を握る手は力なく床に落ちます。

⇒写真を見る

その写真にはどこかの公園で仔猫と戯れる誰かと、もう一人の子供がいた。

仔猫と戯れる誰かの部分には黒野琥珀の血が滲んでいて、姿は見えません。

もう一人の子供は、小さいころの探索者に良く似ています。

ボトリと何かが探索者の方へと何かが落ちてきます。それは肉と骨がグチャグチャに混ざったミンチ状の肉塊だった。

突然探索者と黒野琥珀の居た場所は陰り、空から吐き気を催すような不協和音が聞こえます。

上を向くと貴方の目の前には飛行するポリプ状の生物の巨大な目玉と、二人を丸のみできるほど巨大な口があります。

巨大な目玉はギョロギョロと動き、目が合います。しかし目玉は見えていないのか貴方の方を向いた後も変わらずギョロギョロと動いています。

探索者の目の前には2D6本の触手が周囲を探るようにゆらゆらとさせながら瓦礫や地面に触れています。

その触手は太く固く、1本につき1D10くらいのダメージがでそうだということが分かります。

ポリプ状の生物を近距離で確認すると、身体の表面に見覚えのある青白い輝きを持つ結晶体が見えます。そしてその結晶体は身体の奥底へと沈んでいくのが見えます。

⇒攻撃した場合

ポリプ状の生物の肉片が探索者の目の前に落ちてきます。肉片は酷い悪臭と共に溶けて、地面の中へと吸い込まれていきます。すると溶けた肉片の中から見覚えのある青白い輝きを持つ結晶体が現れます。結晶体は弾丸に着いていたものとは比較にならない程の大きさで、人の頭くらいあります。

探索者は咄嗟に拾い上げてしまいます。

逆上したポリプ状の生物は触手を振り落とします。

触手のうちの1本は黒野琥珀へと落ちます。肉の潰れる音と骨の軋む音が混ざった不快な音が立ち、肉片と骨の欠片が飛び散ります。非業の死を目撃してしまった探索者はSANチェック(0/1D6)。

残りの触手が探索者へと振り落とされます。

<回避><受け流し>でこのターンを逃れることができれば、逃げ出せたことにします。

⇒タイムマシンのところへ行くと宣言

次『11.1タイムマシン』へ

11        失われた過去

11.1  タイムマシン

当たりは暗く、探索者が持つ青白い結晶が辺りを照らします。

年季が入った木造建築の平屋、黒野琥珀の家があり、鍵は開けっぱなしです。

⇒電子レンジを使う

電子レンジの前に立って『200ワットを選択して右に回して20秒、左に回して3分、6分、スタート』を押します。

すると部屋全体が揺れ、壁が上へと競りあがっていき、窓が遠くなっていきます。壁は土石混じりに変わり、地下へと降りていきます。地下に降りていくとそこには白く塗られた壁と扉が現れます。

両手で扉の取っ手を引っ張ると20cmはある分厚い扉が開きます。

⇒タイムマシンのところへ行く

人が入れるカプセル状の装置があり、それに電子レンジのような箱が2つ繋がれて置いてあります。カプセル状の装置にはHuman(人間)、電子レンジのような箱の1つ目にはMemory(記憶)、2つ目にはEnergy(原動力)とそれぞれ記載されています。

⇒Memoryに古い写真、Energyに青白い鉱石を設置し、Humanの中に入る

カプセルの中に入るとスイッチがあるのが分かります。

⇒設置後にスイッチを入れた場合

青白い光が探索者を包み込み、意識が薄れていきます。

11.2  思い出

意識が晴れると写真に写っていた公園にいます。公園にある時計の針は16:58を指しています。

貴方の視線はまるで屈んだかのように低い目線になっており、子供の体になっていることに気が付きます。まず、そんな奇妙な体験をしている事実を認識してしまった探索者はSANチェック(0/1)

そして探索者の目の前には一匹の仔猫と、それを撫でる子供がいます。

その子供の髪はボサボサで顔まで掛かっています。着ている服も破けている、というより破かれたような印象を受けるズタボロの服装をしており、みすぼらしい格好をしています。良く見れば髪や破かれた服の隙間から顔も身体も酷く痛々しい痣が至るところにあります。

その子供は、探索者に向かって言います。

「パパとママが居なくなっちゃったから、このあと、遠いところに連れてかれちゃうの。だから、探索者と会えるのもこれが最後なんだって。」

探索者はその言葉を聞くと、過去の記憶が甦り、この後の展開が脳裏に浮かびます。

==↓記憶の内容↓==

「私ね、誰にも言えなかった不安があるの…。

私も…大人になったら、パパとママみたいな大人になっちゃうのかな。毎日、酷いことする大人になっちゃうのかな。ねえ、探索者はどう思う?」

公園の時計は16:59を指していた。

「お前は誰よりも痛みを知ってる!誰よりも優しい立派な大人になれる!なれなくってもなれよ!立派な大人になったらもう一度、ここに戻ってこいよな!」

「うん…分かった。立派になるから!…立派になって、また戻ってくるからね!」

そういうと17時の鐘が公園に鳴り響く。

子供は迎えに来た女性に手を引かれてどこかへと歩き去っていった。

==↑記憶の内容↑==

貴方は過去にこの子供と出会っていたことを思い出します。その子供の名前が黒野琥珀ということも思い出します。

11.3  二度目の選択

失われた過去の記憶が甦ると、黒野琥珀が探索者にとって二度目の質問をします。

黒野琥珀「私ね、誰にも言えなかった不安があるの…。

私も…大人になったら、パパとママみたいな大人になっちゃうのかな。毎日、酷いことする大人になっちゃうのかな。

ねえ、探索者はどう思う?」

公園の時計は16:59を指していた。1分以内に回答してください。

⇒立派になるように伝える(『立派に』というキーワードを含んだ場合も)

「うん…分かった。立派になるから!」

⇒肯定する

「そうだよね。…やっぱり、そうなんだよね。」

仔猫を撫でていた手に力が入り、毛を掴んでむしります。仔猫は驚いてその場から走り去っていきます。

⇒大人になっても今と何も変わらないと伝える(自信を持つように)

「うん…そうだよね。私は…私のままだよね!」

⇒ここに戻ってくるように伝える

「(○○になって…)また戻ってくるからね!」

⇒1分間何も答えが出ない。

「何も、言ってくれないんだね…。」

⇒その他

KP判断で。黒野琥珀は基本的に探索者が望んだ回答をします。

そういうと17時の鐘が公園に鳴り響く。

子供の黒野琥珀は迎えに来た女性に手を引かれてどこかへと歩き去っていった。

17時の鐘が残響する。音が無くなるに連れて、次第に未来の自分の意識が薄れていきます。

※タイムマシンとしての効果が切れ、未来の自分の記憶は過去の自分へと収束していく。

⇒1度目と同じ回答(立派になって戻ってくるように伝えた)の場合

その場に残った子供となった探索者は、別の何かが自分自身と重なっていたような奇妙な感覚に疑問を持ちますが、その疑問も忘れて成長していきます…。

⇒1度目と同じ回答以外(判断に困った)の場合

その場に残った子供となった探索者は、何故、あんなことを言ってしまったんだろうと疑問に思いますが、その疑問も忘れて成長していきます…。

⇒もし判断に困った場合

※ヒアリングしてください。

KP「ちなみにどういう気持ちで黒野琥珀に伝えたのか聞いても良い?」

⇒『12.3二度目の選択後』のいずれかに続きます。

12        エンディング

12.1  被害者

目の前の女性を跳ね飛ばした。その車はそのまま多くの人を巻き込み、近くのビルの壁に向かって突っ込み、ガシャンという音を立てて停止した。

中から運転していた男がよろめきながら車から出てくる。

車から出てきた男の目は焦点が合っておらず、轢いた人を見ると口から涎を垂らすのが見えます。

轢かれた人は強打し、のたうち回っています。

車から出てきた男は、のたうち回っている人に覆い被さります。

のたうち回っていた人は「痛い痛い痛い!千切れる!止めてー!」と叫びます。

次の瞬間、男の顔は真っ赤に染まります。人の首筋からは一定のリズムを刻みながら赤い液体が強弱を着けながら噴出するのが見え、周りを赤色に染めていくのが見えます。

男はふらふらとまた別の人のところへ行っては同じことを繰り返します。

すると何故か男に襲われて血を流していた人も、立ち上がり、男と同じように焦点が合わないままふらふらとした足取りで、人に噛みつきます。

繰り返される目の前の光景は気が付けば自分の周りを囲っていた。

探索者の方へと人の並みがふらり、ふらりと押し寄せる。

囲われた貴方の身体に纏わりつく人間の重みで身体は身動きが取れなくなり、ついに地に伏せてしまいます。

身動きの取れない状態で皮膚に固い何かが当たります。圧力が掛かり激痛が走り、火傷のような熱と激痛が残ります。その痛みから、自分は食われていると、それはただ殺されることと比べようもなく侮辱的で、自らの肉体は食い物なのだと訴えかけてくる。

何も抵抗ができないまま気は遠くなり、探索者は意識と肉体を失った。

※探索者はロスト。世界もゾンビによって埋め尽くされて人が住める世界ではなくなる。

12.2  シュレディンガーの猫

黒野琥珀「貴方だけは死なせない。平和な世界にして必ず迎えにくるから…。」

そういって出口のドアを閉めると、ガチャガチャガチャ…ガチャリと何重ものロックが掛かったような音が聞こえます。

探索者は部屋から出ようとするも、扉はまるで壁のように全く動きません。

1週間が経過した。黒野琥珀はまだ来ない。

そろそろ1ヵ月が経過した。黒野琥珀はまだ来ない。

多分もうそろそろ1年が経過した。黒野琥珀はまだ来ない。

誰とも会話もなく繰り返されるルーチンに果たして自分は生きている実感が曖昧になっていく。

終わることのない孤独は探索者を、生と死が混在するシュレディンガーの猫へと変えて行く。

探索者が生きているのか死んでいるのか、その存在を破る観測者が現れることはなかった。

※探索者ロスト。外の世界もゾンビによって埋め尽くされて人が住める世界ではなくなる。

12.3  黒野琥珀が死んだ後の世界

ゾンビで埋め尽くされる未来、そしてあの飛行するポリプ状の生物の猛威から世界を救った探索者は日常を取り戻していた。

交差点に突如として現れたゾンビ達は近くの警察署から駆け付けた特殊急襲部隊(SAT)の手によって鎮圧された。その様子は朝から晩まで連日報道され、バイオハザードが危ぶまれて緊張状態が続き、生きづらい世の中になっていた。

段々とその話題はなくなり過去の出来事として人々の意識から廃れていった。

同時に黒野琥珀という学者の訃報も報じられていた。今回のゾンビ騒動の元凶となるウイルスの論文を発表していたとして、有象無象の報道機関からは死屍に鞭打つ厳しい声が常であり、飛行するポリプ状の生物も黒野琥珀が関わっていたとして、全て黒野琥珀による陰謀というのが世間一般の声となっていた。

探索者の目の前には黒野琥珀が守りたかった世界が残り、今は亡き黒野琥珀を糾弾する世界が広がっていた。

12.4  二度目の選択後

12.4.1    立派になるよう伝えた場合(『立派に』というキーワードを含んだ場合)

探索者は黒野琥珀と出会った当時の交差点にいます。 時刻は12時。

後ろから誰かが近づき横に並びます。理由もなく、何となくその横の人物の方を見るとスタイルが良く、綺麗な整った顔立ちに、長い髪は風になびいて良い匂いがします(APP18)。隣にいる女性は自分の好みでつい魅入ってしまいます。

横の人物は歩き出します。気付けば交差点は青に変わっているのに気が付きます。

気を取られていた為、隣にいた女性に遅れて出発し、自然と後ろを着いて行く形となります。

道の真ん中に差し掛かった時、轟音が響きます。

轟音の方を振り向くと車が時速150kmで交差点の信号を無視して突っ込んできます。車は女性へ向かっていきます。

探索者は女性を突き飛ばした――。

この世界に終わりが訪れる日はなく、無限に続く経歴だけが積み重ねられていく。

ひとつの閉じられた世界で探索者は終わらない戦いをただただ繰り返す。その変わることのないストーリーは人形劇のようで、時間が作った芸術作品として時折り外なる神の興味を引くことだろう。

※無限ループに陥り、何も救えない。探索者はこの無限に続く世界に閉じ込められ、事実上のロスト。

12.4.2    肯定していた場合

探索者は黒野琥珀と出会った当時の交差点にいます。 時刻は12時。

探索者は突然赤信号の交差点へと突き飛ばされます。

体勢を崩しながら後ろを見るとそこには黒野琥珀が手を突き出していた。その表情は到底人がするような顔ではなく、酷く歪んだ悪意に満ちた笑顔だった。

黒野琥珀「ひゃは!ひゃはははははは!」

探索者は誰よりも近い特等席で、グシャリと肉の引きちぎれる音を聞いた。

※世界は守られたが、代わりに黒野琥珀は殺人癖を発症し、探索者は殺害されてロスト。

12.4.3    何も言わなかった

探索者は黒野琥珀と出会った当時の交差点にいます。 時刻は12時。

後ろから誰かが近づき横に並びます。理由もなく、何となくその横の人物の方を見ると子供の頃の黒野琥珀が大きくなったような、髪はボサボサで顔まで掛かっている人物がいます。

信号が青に変わると、黒野琥珀らしき人物はフラフラと歩いていきます。交差点を渡ると探索者の進行方向とは別の方向へと歩んでいきます。向かった先には木々が光を遮るように生い茂っています。その姿は出口のない霧の掛かった森をさ迷い続ける亡霊のようだった。

※黒野琥珀は無気力で精気がない状態となる。探索者のことも忘れてしまっている。世界は守られたが、一人の人間を導けなかった。

12.4.4    大人になっても変わらない

探索者は黒野琥珀と出会った当時の交差点にいます。 時刻は12時。

後ろから誰かが近づき横に並びます。理由もなく、何となくその横の人物の方を見ると黒野琥珀らしき人物が歩いていきます。

黒野琥珀は探索者の方をチラリと見て話しかけてきます。

黒野琥珀「すみません、少し伺いたいことがあるのだけど…。」

黒野琥珀「実は私、昔この辺りに住んでいまして、思い出の場所を探していまして。」

そういって古びた写真を見せます。探索者はその写真を見たことがあります。そこに映っているのは子供の頃の自分と、子供の頃の黒野琥珀です。

黒野琥珀「小さいときからずっと持ってたので余り保存状態は良くなくて、分かりづらいかもしれませんが、心当たりありませんか?」

⇒ないと答える

黒野琥珀「そうですか、残念です。」

探索者の進行方向とは別の方向へと歩んでいきます。向かった先には木々が生い茂った道で、木漏れ日が黒野琥珀の前を照らして光の道を作っています。

黒野琥珀が歩んだ後ろには光の道はもうなくなっていて、その光景は黒野琥珀に二度と会うことはない、そんな予感を感じることでしょう。

⇒あると答える

黒野琥珀「本当ですか!?是非、話を聞かせてください!」

(PLとエンディングを作り、切りが良いところまで進めてください。)

(仕事は何しているか聞かれたらOLとか猫繋がりでペットショップ店員とか無難に)

ここから先は探索者と黒野琥珀が作る未来が訪れることでしょう。

12.4.5    その他の場合

KP判断で。

黒野琥珀は基本的に探索者が望んだ将来像になります。

13        クリアボーナス

世界が救えなかった。(探索者ロスト)

黒野琥珀が生きてる。(SAN回復1D6)

平和な世界になった。(SAN回復 1D6)

ゾンビを倒した。(SAN回復1D倒した人数)

グールを倒した。(SAN回復1D倒した人数)

ノーキルノーアラート(殺さず見つからず)でベレー帽のグールまで辿り着いた。(<隠れる>+1D10、SAN回復1D6)

飛行するポリプの遠距離狙撃に成功した。(<ライフル>+1D10、SAN回復1D6、クトゥルフ神話+3D3)

※これらSAN値と技能は未来にいた自分が潜在的能力として過去の自分へ引き継いだものとしてプラスされる。

14        補足

14.1  飛行するポリプ

飛行するポリプの風は口から出しているという解釈設定です。なので今回探索者が狙った空間の歪みというのは気圧の違う風を出している場所、つまり飛行するポリプの口に当たります。

1つの生物というよりサンゴ礁のように群生した生物として解釈してます。なので探索者が撃ってバラバラにしたのは、1つ1つを繋げていた中核部分を破壊した為、バラバラになって崩壊していきました。溶けるように再び地下へと戻り、永い年月を掛けて再生し、いつか地上へ復讐の機会を伺うことでしょう。

地球外生命体との事なので、地球に存在しない反物質を内包していてもおかしくないという解釈で、溶けた後に大きな鉱石として反物質が探索者のもとに残りました。

14.2  対消滅

1円玉と反物質でできた1円玉で対消滅を起こさせた場合、広島原発(半径4キロ)の約3倍のエネルギーが発生するっぽいです(余すことなく全てエネルギーに変えるので)。今回の射撃成功時には飛行するポリプの口の中に入った為、体内で爆発が起きたことで外への衝撃が緩和されます。

 

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